日本固有のさかな

 シシャモは、世界的にみても日本にだけ分布する日本固有の魚で、しかも、北海道の太平洋岸にのみ生息します。1913年に北海道帝国大学の疋田豊治氏が形態、分布および生態の特徴を示し、新種として発表しました。

 10月中旬から11月下旬にかけて、産卵のために川にそ上します。釧路地方では茶路川、庶路川、阿寒川、新釧路川にそ上します。釧路地方以外では胆振地方の鵡川、日高地方の沙流川、十勝地方の十勝川そして厚岸町の別寒辺牛川と尾幌分水川にもそ上します。かつて、渡島地方の遊楽部川と長万部川にも上っていましたが、現在はそ上していません。 大きくみると三つの群れに分かれて生活しているようです。鵡川や沙流川にそ上する日高沿岸に分布する群れと、新釧路川や十勝川にそ上する釧路・十勝沿岸に分布する群れは、遺伝的に異なることが確かめられました。また、別寒辺牛川と尾幌分水川にそ上する厚岸沿岸に分布する群れも脊椎骨数などが異なることから、別な群れと考えられています。